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おとめ座
20時南中  6月7日
南中高度   53度
面積      1294度
肉眼星数   99個
設定者    プトレマイオス
春の頃から初夏にかけての宵のころ、南の中天に大きく淡い姿を横たえています。

大神ゼウスと、巨人のタイタン族の女神テミスの間に生まれたアストレアは、正義の女神です。
もうずっと昔この世が「金の時代」であったころは神々は人間とともに地上で暮らしていました。
しかし、やがて地上に寒暑の四季が生まれ人間達の自己の目覚めに愛想をつかした神々は天上に引き上げてしました。
これが「銀の時代」です。
「銀の時代」にあってもアストレアだけは人間を信じて地上にとどまっていました。
やがて「銅の時代」になると人間は嘘と暴力を使うようになりました。
暴力と争いの中にとうとうアストレアも耐えられなくなり、天上へ駆け上がって黄道に座をかまえました。これがおとめ座です。

α星の1等星スピカ以外は明るい星がないので、背中に翼を持ち、手に麦の穂を携えている姿をイメージするのは難しいかもしれません。
春の大曲線のひとつ、うしかい座のα星アルクトゥルスとスピカの間あたりに大きなYの字形を横にしたように並んでいます。
手に麦の穂を持っている姿から農業の女神デメテルであるとも言われています。

おとめ座からかみのけ座にかけては、宇宙ののぞき窓と呼ばれるほどたくさんの銀河達が群れています。この方向に【おとめ座銀河団】の中心があるからで、私たちの銀河系もその一員です。

そんな中で特に明るく興味深いのは【ソンブレロ銀河】と呼ばれるM(メシエaj104です。メキシコ人のかぶるソンブレロ帽の形によく似ていることから名付けられました。

α星スピカから北東よりのγ星ポリマは望遠鏡で見ると美しい二重星です。
この二つの星は172年の周期でめぐりあう2連星です。